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RAIDはバックアップツ―ルではないというお話

いつも弊社取り扱いQNAP NAS製品をご利用いただきありがとうございます。

 

さて、NASユーザーにとってデータ消失のリスクを減らすための重要な機能、「RAID」ですが、あまり過信し過ぎると思わぬ後悔を生むかもしれません。

 

「RAIDを組んでいたのに起動しなくなった!」

 

「RAIDを組んでいたのに復旧できない!」

 

「こんなはずじゃなかった・・・」

 

 

今回はそんな RAID に関する 危険な思い込み についてお話します。

 

 

そもそもRAIDとは

 

RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)は複数のディスクを束ねることで仮想的に1つのストレージを作成する技術です。主に以下のようなメリットがあります。

 

<RAIDによる効果>

  1. 「ストレージの大容量化」
  2. 「速度向上」
  3. 「冗長性の確保」

※これら1つ、または組み合わさった効果が得られます。

 

RAIDにはいくつかの種類があり、そのタイプによって得られる効果が変わりますが、特に「冗長性の確保」はデータ保護の観点で有用です。

 

通常ハードディスク1台だけで稼働しているPCやNASの場合、その1台が故障してしまうと別途バックアップを取っていない限り復旧できません。

しかし、複数台のディスクによって障害耐性を持つRAIDタイプを構築している場合は、一定数のディスク故障に耐えることができます。

 

RAID タイプ

ディスク障害耐性

シングル、RAID 0、JBOD

0

RAID 1

1台まで

RAID 5

1台まで

RAID 6

2台まで

RAID 10

各ディスクペアごとに1台まで

※各RAIDレベルの耐障害性

 

何台の故障まで耐えられるかという冗長性の範囲は、RAIDタイプによって異なります。例えばRAID5では1台の故障まで、RAID6では2台の故障まで耐えられます。

(その分容量効率が悪くなるため、コストが嵩んでしまうというデメリットも発生しますが)

 

QNAPユーザーのみなさんも、これら冗長性を高めるRAIDタイプを使用している方が多いのではないでしょうか。

 

 

 

RAIDは果たして安全か

 

 

では、RAIDを導入していれば万事安全なのでしょうか?

 

 

残念ながら、それは違います。

 

 

なぜなら、RAIDはあくまで耐障害性を高める機能であり、実際にコトが起こってしまった後、つまり完全なデータ喪失や起動障害に対しては無力だからです。

 

以下は、RAIDに関するよくあるトラブルの事例です。

 

 

RAIDトラブル事例

 

 

その1:故障に気づかず手遅れになるパターン

 

ままあるケースが、障害発生に気づかずにいつのまにか冗長性を超えたディスクが故障してしまい、手遅れになってしまうパターンです。

 

QNAPではディスクの異常を感知した時、様々な形でその異常をユーザーに報告する機能があります。(ビープ音、LEDの赤点滅、あるいはエラーログなど)

ただ、部屋の死角や物置など、普段QNAP本体を確認できないような場所に設置していたり、そもそも管理画面を確認する習慣がない方はこれらに気づかない可能性はあります。(初期セットアップ後はPC経由のファイル共有だけ利用しているなど)

普段行っているデータへのアクセスが突然出来なくなり、なぜだろうと不思議に思って本体や管理画面を確認します。すると、はじめてそこで異常が起きていることに気づくのです。(ステータスLEDやHDD LEDの赤点滅など)

 

異常の早期発見はデータロストを未然に防ぐ大切な要素です。QNAPには異常を感知した際にEメールで報告する機能もありますので、なるべく早く情報が把握できるよう必ず設定するようにしましょう。

 

 

その2:同時故障してしまうパターン

 

RAIDはディスクの物理的故障が起きたとしても、その冗長性の範囲内であれば確かに復旧は可能です。しかし、その範囲を超えた台数が同時に(またはリビルド前に)故障してしまうパターンも実は存在します。

 

RAIDに使用しているディスクは基本的に「同一のモデル」を「同時期に購入」し、また「同じアクセス頻度で利用する」パターンがほとんどです。

同じ条件・環境のため、経年劣化による故障タイミングが重なる(ほぼ近しくなる)ケースが増えてきます。

 

もしもディスク故障が発生した際は、なるべくデータ退避を優先するべきです。

単純な確率論としてディスクの台数が増えるほど故障リスクは高まりますので、特に多ベイモデルの場合は注意する必要があります。もちろん、事前にバックアップを取っておくことが何よりも大切です。

 

 

その3:リビルド時のトラブル

 

リビルドには多数の処理と時間、それによる負荷が発生するため、それが決定打となり別のHDDも連鎖的に故障して復旧不可能になるケースも珍しくありません。

 

例えばRAID5の場合、ディスク1台が故障した場合でも新しいディスクと入れ替えてリビルドすれば復旧できますが、リビルド実行中に2台目のディスクも故障してしまい復旧不可能になる場合があるのです。

 

また、HDDの故障台数が冗長性の範囲内だったとしても、重大な不良セクタの発生やブート情報の破損などが原因で起動不可になることもあります。

 

NAS本体の故障はもちろん、ディスク内のソフトウェアRAIDの損傷やファイルシステムの不整合などを原因とした起動不良・データ消失にはRAIDだけでは対応できません。

 

 

必ず事前のバックアップを

 

RAIDは絶対に壊れないわけではありません。

 

冗長性の範囲を超えたディスク故障や、RAID構成情報・システム情報の破損などによってアクセス不可になるケースは残念ながら存在します。そうなった場合、別途バックアップデータがない限り大切なデータを取り戻すことはできません。

 

もしも「絶対にデータを失いたくない!」と考えているのであれば、仮にデータを失っても取り戻せる対策 = データを事前に複製する「バックアップ」を行うことが何よりも大切です。

 

「自分は大丈夫」とどうしても思いがちですが、RAIDに過信せずバックアップは別途必ずとっておきましょう。

 

 

QNAPのRAID スクラビング機能について

 

QTS 4.3.3.0238以降のQTSバージョンで採用されたRAIDスクラビングは、RAID 5 あるいは RAID 6 の構成をもつ NAS デバイスにおけるサイレントデータコラプション(ユーザーが気付かないデータ破損)を回復させることのできる重要な機能です。

※サイレントデータコラプションとは、オペレーティングシステムで検出されないエラーによってデータが意図しない変化をしてしまうことです。

 

RAIDスクラビングを定期的に実行することで、データやディスクが破壊される可能性を初期段階で検出でき、ユーザーデータやディスクグループの整合性を高めることができます。

 

QNAP では少なくとも月一回は RAID スクラビングを実施することを薦めています。

不意のデータ破損を起こさないためにも、必ず実施するようにしましょう。

 

特に以下の条件に当てはまる方は、FWを最新にアップデートした上で、必ずRAIDスクラビングを実行してください。

 

  • RAID5、またはRAID6を利用している
  • 今までに以下のビルドのいずれかをインストールしたことがある
  • 2017 年 9 月 7 日)4.2.x:バージョン 4.2.0 ビルド 20150618 とバージョン 4.2.5 ビルド 20170419 の間でリリースされたビルド

  • RAIDスクラビングを一度も実行したことがない

 

※すでにRAIDが劣化している場合、または低下モードになっている場合は、RAIDスクラブで破損したデータを復元することはできません。

 

メーカー詳細:

https://www.qnap.com/ja-jp/technical-advisory/tec-201707-01

 

 

ユニスター

 

保守サービスでより安全に

 

弊社では物理的な故障への対策として、先出しセンドバックやオンサイト保守といった法人様向けの保守サービスを展開しています。

通常保証のセンドバックに比べ、業務の再開時間を大幅に短縮できるメリットがあります。

 

QNAP導入をご検討の際は、保守サービスへの加入も合わせてご検討ください。

 

事前評価機も無料でご用意しています。

 

 

お電話でのお問い合わせ:03-5812-5791
受付時間: 平日 AM10:00〜12:00 / PM13:00〜17:00